「リョウ、早かったわね」
「……中庭にいると思って向かってた」
こわくてリョウ顔が見れない……
また冷めた目で見られるのかと思うと、どうやっても振り向くことは出来なくて。
気持ちを落ち着かせようと、持っていた缶を指先で何度も撫でた。
けれど、そんな些細な行動なんてお母さんの一言で呆気なく崩されてしまう。
「今まであやのちゃんとお喋りしてたのよ。あやのちゃんも中庭が好きなんですって。
仲間が出来たみたいで嬉しいわ。ね、あやのちゃん」
「は、はい!中庭好きです」
リョウが傍にいるというだけでこんなにも動揺してしまうなんて……
どもっちゃって恥ずかしい……
「リョウ、あやのちゃん帰るみたいだから玄関まで送って行ってあげてくれる?お母さんもう少しここにいたいから」
「あ、大丈夫です!すぐそこなんで一人でも──」
「いいのいいの。友達なんだから遠慮しないの」
「でも──」
「行くぞ」
「え」


