「っ、あーーーーー!!うぜぇ!!」
姿が見えなくなるや否や、天井に向かって発狂する瑠衣。
瑠衣の性格からして、相当堪えていたに違いない。
雷神総長の前で爆発していたら、手を組むどころか抗争に発展していただろう。
「侑真……」
そっと侑真の袖口を掴む。
「……あやの、怖がらせてごめんな」
「ううん、大丈夫」
小さく首を振って、握る指先に少しだけ力を込める。
それに気付いたのか気付いていないのか。
どちらかは分からないけど、侑真は私の頭にそっと手を置いて「送るよ」と言って小さく微笑んだ。
「みんなは残っててくれ。後で話がある」
倉庫を出る直前にメンバーに向けて放たれたその言葉が気になって仕方なかったけど、
私を先に返すのは侑真なりの配慮だったから何も言えずに帰るしかなかった。
侑真は今、何を考えてるの……?
その答えを聞くのは数日後。
予期せぬ出来事の後のことだった────