キミを奪いたい




私が“ちゃん”付けで呼ぶぐらい なっちゃんは“暴走族”とか“ケンカ”とかそういう言葉が似合わない。

10人に聞いたら10人ともそう言うはずだ。


だから、「俺暴走族入ってるんだよね」って言われても、みんなみたいにすんなり「そうなんだ~」なんて簡単に納得できないよ。



「那智が族似合わない?いやいやいや、むしろ俺より那智の方が──」

「瑠衣?」

「……いや、なんでもねぇ」



……ん?今の間はなんだろう?


私から瑠衣に視線を移した途端、テンション高くしゃべってた瑠衣の笑顔が固まってしまった。


一体どうしたんだろう。



「なっちゃん?」

「ううん、なんでもないよ。あ、俺が入ってるのは隣県の“鳳皇(ホウオウ)”ってチームだよ」

「は!?」

「鳳皇!?」