キミを奪いたい





あんなにもまくし立ててた二人が、リョウの睨み一つであっさりと鎮まってしまった。




「………」



リョウの冷酷なオーラに呑み込まれ、言葉を失くす私たち三人。


────いや、言葉を失ったのはここにいる私たちだけじゃない。遠巻きに私たちの様子をうかがっていたギャラリーも同様に言葉を失っていた。




リョウに関心がない人、私たちの存在にすら気づいていない人。

その人たちのお陰で完全に静まり返ることはなかったけど、さっきまでの騒がしさが無くなってしまったことは確かだ。












「────後で上に来い」


「っ、待っ……!」




視界にあったリョウの足が微かに動いたのが見えて、無意識に手を伸ばしてしまった私。




本当に無意識だった。

自分でもなんで呼び止めたのか分からなくて。



リョウが行ってしまう。


それが頭を通りすぎていった瞬間にはもうリョウに向かって手を伸ばしていた。