「リョウ、送ってけってなに!?」
「俺の今日の相手にしよーと思ったのに。なんで緋月の姫なんだよ!」
「あ、あの、」
勇気を出して声を張り上げたのに、私の声なんて一切届いていないらしく、フル無視でリョウに突っかかっている二人。
もしかしたら私の存在すら忘れてそうで。
「リョウが卑怯なことしたくないのは分かるけど、なんでわざわざ敵の姫を送ってかなきゃいけない訳!?」
怒っているというよりも拗ねていると言った方が正しい“イズル”くんはまだ良いとして、明らかにご立腹中の“ナギサ”くん。
以前会ったときも威圧感たっぷりで怖かったけど、今はあの時の比ではない。
あのときは私にではなく敵対している緋月に向けてだったから今ほど恐怖心は抱かなかった。
「なんでわざわざ────」
「うっせぇぞナギサ」
「っ、」
「グダグダ言ってねぇでさっさと連れてけ」


