キミを奪いたい




「あ……」




──今すぐここから立ち去りたいと思った。


まさかこんな事態になるなんて思ってもいなくて、ここに来たことを心の底から後悔した。





誰もこんな状況、望んでない。

ただ翠龍を襲撃したのが本当にZeusなのか知りたかっただけで、そりゃちょっと顔を見れたらいいなとか思ったりしたけど、こんな風に間近で顔を合わせたかった訳じゃない。











「──ねぇ、なんでここに君がいるのかって聞いてるんだけど」




再度そう聞かれて言葉が詰まった。

馬鹿正直に理由を言ってしまうほど私は肝が据わってないし、かと言って応えないという選択なんて怖すぎて出来ない。



───なにか言わなきゃ。


でも、そう思えばそう思うほど頭が真っ白になって、黙り込んでしまう。