キミを奪いたい








その言葉に一瞬息が止まった。

その次に動悸が激しくなって、嫌な汗が噴き出した。

唇がガタガタと小刻みに震えて、視線がゆらゆらと左右にさまよう。







……いつから、いつから気づかれていたんだろう。


もしかして、最初から?
だからずっと機嫌が悪かったの?




私がここへ来たから機嫌が悪かった……?





「っ」



そう心の中で問いかけたとき、突然誰かアゴをつかまれて無理矢理持ち上げられた。そして、マスクを思いっきり引き下ろされ、のぞき込まれる。






「……ほんとだ」


そこでようやく私の顔を上げたのが誰だか知った。









「なんでキミがここにいるの?」



私の顔をいぶかしげな表情で見下ろしてくるのは、“ナギサ”くんで。

その後ろには、なにがなんやら分かってない様子で私を見つめている“イズル”くんがいた。