「あ、この子、今日の俺の相手ー」
「っ、」
その言葉が落とされるや否や、グイッと両肩を引き寄せられて腕の中に閉じ込められる。
すぐに逃げようと思ったけど、私が拒絶すると思ったのか拒絶する前に先に力を込められてしまった。
だからと言って諦めるという選択肢はなく、胸元にある腕を力一杯引き離そうとするけれど、引き離そうとすればするほど力が強くなって全然離れてくれない。
「ハッ。なに、お前嫌われてんじゃん!」
「はぁ?嫌われてねーよ!だってこの子、俺のこと尾行してきてたし!」
「っ」
「はぁ?尾行?」
“イズ”のその発言に笑顔を消し去り、いぶかしげに顔を歪めた“ナギサ”。
すぐさま顔をそらしたから目を合わさずに済んだけど、探るような視線が無遠慮に突き刺さってくる。
ここが薄暗くて良かった。
そう思ってしまうほどの鋭い視線にゴクリと喉が小さく上下する。
……居心地が悪い。
そう思ったとき、
「───お前らそんなとこで遊んでんじゃねぇよ」
背後から聞こえた聞き覚えのある声に、心臓がドクンと震えた。


