キミを奪いたい





「お、ナギサじゃん!」



肩越しに振り返り、笑顔で手を挙げる男の子。


その笑顔を見て嫌な予感がした。




まさか、この二人知り合いなの……?






「っていうか、なにしてんの?着いたら連絡してって言ったよね?」

「あー、ごめんごめん、忘れてた!」

「はぁ?イズっていつもそうだよね!女ばっか引っかけてんなよ!」





────ううん、知り合いなんてそんなよそよそしい関係じゃない。

この二人から感じるのはもっと近い────そう、緋月のみんなみたいな深い関係に見える。



もしかして、“イズ”と呼ばれた男の子はZeusのメンバーなの……?









「────ていうか、この子誰?」




突然視線を向けられてドキッと心臓が跳ねた。

この前とは違う興味なさげな冷めた瞳に心臓の音はそのまま加速していく。





……どうしよう。今度こそヤバいかもしれない。


いくらココが薄暗くてマスクをしていると言っても、さっきみたいにマスクを下げられるかもしれないし、目を見ただけでも気付かれるかもしれない。


たった一度。されど一度。


心から安心は出来ない。