「え、なに?聞こえない!もうちょっと大きな声で言って!」
満面の笑みで私を見下ろしている男の子は場慣れしているせいか大きな声で話しかけてくれる。
けど、初めてのCLUBに呑まれている私には大きな声を出すなんて無理な話で。
口を小さく開閉するだけでなかなか声になってくれない。
「もしかして、CLUBはじめて!?」
「………」
「え、マジ!?」
あまりにも至近距離で聞いてくるから、焦って馬鹿正直にうなづいてしまった。
そんな私の反応を見て一瞬驚いた顔をした男の子は、チラッと後ろを振り返ってなにやら考えている。
男の子の視線の先には何人もの男女が楽しそうに踊っていて。
ここからじゃハッキリと見えないけれど、踊っている人の向こう側にはテーブルで談笑している人たちもいた。
私たちがいるこの場所は多分メインステージの裏にあたる場所なんだと思う。
関係者以外の人は立ち入ることが出来ないから誰も来ないのだろう。
っていうことは、私たちが入ってきたすぐそこにある扉は関係者専用の裏口だということになる。
じゃあこの男の子はこのCLUBの関係者ってこと?


