キミを奪いたい




「つーか、あんた俺の好みドンピシャだわ」

「……え?」

「俺に寄って来る女っていつもケバイ女ばっかでさ、正直飽きてたんだよな」

「っ」

「───決めた。今夜の相手、あんたにする」




そう私の耳元でささやくや否や男の子の腕が腰へと回されて、抵抗する暇もなくどこかへと連れて行かれる。




「あの、私、そんなつもりじゃ……!」

「いーからいーから」




恥ずかしがっているとでも思ってるのだろうか。

男の子は軽く返事をするだけで私を見ようともしない。





「っ、」


逃げようにも腰をガッチリと固定されていて逃げられないし、大声を出して助けを求めようと思っても周囲には誰もいない。



どうせ連れて行かれるなら、CLUBの方が良かった。そうしたら誰かに助けを求められるのに。





私が歩いているのは華やかなCLUBとは正反対の薄暗い細道で。

その抜け道とも呼べそうな道を、男の子は鼻歌混じりに突き進んでいく。