「翼ー!朝よ、起きなさい!」 母さんの叫び声が家中に響く。1階から叫んでいるのに、隣にいるようだった。 …はぁ。朝はほんとにだるいな。 季節は夏。ほとんど真夏に近いこの頃。 昼間は絶え間なく蝉が泣き続け、夜は月がキレイに空を散歩している。 「学校、だりーな」 俺はだるそうにベッドから起き、洗面所に足を運んだ。