春はすぐそこ。


程なく、広い公園に着いた。

「牧野、リリーのリード外してやってくれ。いつもここで少し遊ぶんだ。」

「外して大丈夫?」

「逃げねぇよ。」

古川はポケットからテニスボールを取り出し、

「リリーいけっ!」

投げた

リリーも楽しそうに追いかけている。


「日が落ちてから散歩の方がリリーのこと遊ばせられるからな。」

「ふーん。」

「なんだよ、興味ねぇのか、」

「だって他にどんな反応すればいいのよ。」

「それもそうだな。」