春はすぐそこ。


「そういうことかぁ。だってよ?由紀?」

ぎくっとして静かに怒りを振りまいている古川が立っていた。

「わ、私お手洗いに行くわ…。」

「逃げんな牧野。」

捕まった。

「荷物もて、行くぞ。」

はい?

八木くんを見ればにこにこしながら行ってらっしゃいと手を振ってきた。