春はすぐそこ。


するとその子は私の元にスタスタと歩いてくるではないか

「お姉さん、その子迷子センターまで連れて行ける?」

なんで私が…

「わかりました、」

子供の手前断れない

どうしよう
二人になってしまった

じーっとこちらを見つめてくる

「君、名前は?」

「…。」

なんで無言なの…

「りんご。」

名前りんごなの!?

「りんご…」

ん?

ふと気づく
この子の視線は私ではなく、

「これ?」

りんご飴だった、