オリエンテーションで出会った事、大切にしてたしおりを半分にして俺にくれた事、しおりのお陰で俺が願ってた願い事が叶った事をポツリポツリと話していった。




姉貴は先を急かすことなくただ黙って俺の話を聞いててくれた。





高校で会えると思ったのにもう卒業してた事と、住所を調べて会いたくて家まで行きしおりを返そうとしたのに 引っ越した後で会えなかった事まで話し終えた。




少しの沈黙の後、『はぁ…』とため息が聞こえてきた。





『それで自暴自棄になって遊びまくってたんだ?』





呆れたような口調で言った姉貴に返す言葉もない。





忘れたくて起こした行動は、今冷静になって考えてみれば姉貴の言う通り。





「…バカなことしてたなってやっと気付いた。忘れたかったんだ。」





自分の声とは思えないくらいか細い声が喉を通って口から出た。





『情けない声だしてるんじゃないわよ。大体ね、何で無理に忘れなくちゃいけないのよっ!』





「え?」


姉貴の言葉に、ずっと覆い隠してた顔をあげて姉貴を見上げた。