中学生になって、最初に少しずつ変化していったのは、女子からだった。




小学校の頃、意識せずに遊んでた奴らが、急に女へと変わっていく。



まず、俺らと一緒に遊ばなくなっていった。
そしてたいして変わらなかった身長も大きくなっていって。




男の俺よりも大きい女子に少なからずおもしろくない。
そんな感情が出てきたのもこの頃からだ。




身長だけじゃない。体つきだって急にやわらかい曲線になっていった。





そして、少し遅れて、回りの男子も少しずつ男らしい体つきへと変化していく。



『最近からだの節々が痛い』

『声出そうとすると、裏返る』



そんなことをいう奴らが徐々に増えていく。そうしてぐんぐんと伸びていく身長と、低く変わっていく声。




俺だけはまだそんな兆しが全く見受けられなくて、内心焦りと苛立ちで一杯だった。