『あ、あはは…。立派なスネ毛だね。も…もしかして君…女の子じゃなかった?』







「悪かったな女じゃなくてよ。」







ジロリと睨んだ俺を見て慌てて店から出て行くオッサン。





店の外であからさまに肩をがっくりと落とす姿に無性に腹が立った。















これまで何万回同じような事があっただろう。






身長160cm弱。
体の線は細目。





声変わりや、成長期の兆しがまだない俺。






少しだけ濃くなってきた足の毛だけが唯一男だって証明出来るトコ。








見た目で間違えられたり
名前で間違えられたり。








中には俺が男でも構わないっていう変態にナンパまでされる始末。






初対面で俺を見て、男だってわかってくれた奴なんて会ったこともない中で。


俺が苛立たない訳がない。