ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】

「ーッ…ありがとう」





目の前にいる由宇の頭を胸元に寄せて抱き締める。





少し前までどす黒い感情で一杯だった胸の中。




今はトクン…トクンと嘘みたいに穏やかに鼓動していた。




目の前にある由宇の頭にキスをした。




それに応えるように上を向く由宇。




俺の表情を見て、柔らかく笑った。




『いつもの歩に戻った』





「あんまり人の顔色伺うなよ……」





参った。





付き合い始めて間もないし、ましてや毎日会ってるわけでもないのに、こんなにも俺の事よく見てくれてる。




『……だって…もう気持ちがすれ違うのは嫌だもの』




俺が不安になると由宇も不安が伝染するんだな。




もうそんな思いさせないように強くなるよ。