ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】

玄関へ向かう俺の背中にドンッと衝撃が走る。





腰には細い手が回されてて、抱きつかれてるとすぐにわかる。





「由宇ヤバイから離れて?」





『イヤよ。離れたら歩、いなくなっちゃいそうなんだもの。

何を不安に思っているの?』





ビクっと体から反応してしまった。





『何だか歩、とても不安そう。

気づかない内に私がそう思わせるような態度とってた?

それとも何か口にした?』





『歩がそんな表情だと私も不安になるわ。

私に愛想つかしたのかとか考えちゃう』





「そんなの絶対ないっ!!」





振り返り叫ぶ俺の目に映ったのは泣きそうな顔の由宇。




『じゃあ帰らないで。

あんなキスしておいて、不安にさせたまま帰らないでよっ』