ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】

割と近くにいたんだ。
そう思うと嬉しくて。






今日の放課後に家を探してみようと思った。






隣ではマサが

『歩は結局どうするの?家におしかけんの?』

なんてしつこく聞いてきてたけど。






「卒業してるなら諦めるから別に何もしない。」







そう嘘をついてごまかした。






だって家を探すなんて言ったら、普通は気味悪がられてやめろって言うだろうけど、マサは違うと思う。


寧ろ面白がって一緒に探すって言うに違いない。






職員室に付き合わせといて勝手かもしれないけれど、写真じゃない実物の由宇さんに会う時は、俺一人で会いたいんだ。







じゃなきゃ照れ臭くてお礼も言えない。





一人で会わないときっと本音で由宇さんに向き合えない。





そんなの嫌なんだ。





だからマサに黙って一人で放課後由宇さんの住む町に行こうって決めていた。