ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】

詳しくは言えないけど元気を出して欲しかったと言った由宇さん。



由宇さんの記憶の中にもちゃんと俺が残っていた。



だけど……それはやっぱり女の子としてだと由宇さんの言葉で知らされた。




女子高から共学に変わる年に入学したからきっとすごく人気があったと思う
なんて、あの頃の俺を男として見ていたらまず出てこない言葉。




由宇さんも皆と一緒。
俺を女として扱ってたんだ。





もしかしたらそうかもしれないって思ってはいたけど、はは…やっぱりショックでかいな。




でも、あの時保健室で露骨に女扱いされなかっただけで俺がどんなに救われたかもちゃんとまだ覚えてる。




だから気にしない。





気にしてないんだから隠さずに言ってしまおうか?




あの時の中学生は俺だって。





ーーしおりは俺が捨てずに持っていた
由宇さんを探してた





会えて死ぬほど嬉しいーー




そう伝えれば……




でも、言ったとして、しおりを盾に由宇さんに面白がって近付いてるって思われてるだろうし、

そんな所に気持ち明かしたって本気にとってもらえない。




「俺も同じ高校出身ですけど、由宇さんとちょうど入れ違いで入学です。

けど…そんな可愛い子なんていなかったと思いますよ?」




………やっぱり言えないよ。



結局また嘘を重ねてごまかす事しか出来なかった。