ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】

しばらくしても服を持って出てこない。




手持ちの服で目ぼしいものなかったのかな?なんて思っていたら
『用意が出来たから見てみて』と声だけ聞こえてきた。





ちょっと待って。
俺にそっちに行けって言ってる?




ダイニングキッチンから顔だけもう一つの部屋へ入れて覗くと思ったとおり、ベッドが置いてある。




由宇さんはわかってない。寝室に男を招きいれる事がどんな事かを。




『やっぱり、手持ちの服には使えるものなんて無さそう?』




のん気にそんな事聞いてくるあたり、警戒心ゼロだし。



全く意識してないから出来るんだろうけど、こっちはそうもいかないんだって。



寝室で2人きりなんてどう頑張ったって邪念を払えるわけがない。




一歩足を踏み入れたら自制心なんて吹っ飛ぶ自信はたっぷりある。





深呼吸をして、やましい気持ちを落ち着かせてから話しかけた。





「何の疑いもなく俺を家にあげたり、寝室に入らせようとしたり……

もっと警戒心もたないと。
そんなんじゃ襲われても文句言えないよ?」