『願いなんて…どうせ叶わない。

誰にもどうすることも出来ない事なんだから。諦めるしかないよ。』






言ってて泣きそうな気持ちになった。




だって毎日切実に思ってる。





早く成長期が来てくれって。





幼さの残ってるこんな声も早く無くなって欲しい。



もっと大きい背かっこうになりたい。





男なんだって






誰が見ても間違えない容姿になりたい。






なのに全然叶わないじゃないか。











保健室に沈黙が流れた。







こんな愚痴聞かされてウンザリした?





付き合いきれないって思った?





言ったことを少し後悔してた俺にまたゆっくりとした優しい声が聞こえてきた。









『…じゃあこれに毎日願い事かけてみて?』






え?と顔をあげた俺の目の前で何かを二つに折ってしっかりと折り目をつけている。





そして二つに分けた片方を俺の前に差し出してきた。