なのに、由宇さんはそんな俺のついた嘘を疑うことなくお礼を言ったんだ。




拾ってくれたのが俺で良かったって言って



深く頭を下げられて一層胸がズキズキした。





その後しおりが父親の形見だって聞かされて、

どうしてしおりが四葉のクローバーだとわかったのか聞かれてもごまかすことしか出来なかった。




試そうとした事とか、言い訳も嘘並べてしまった事とか

なんだか申し訳なくて本当の事が言いにくくて……




だけど帰るために乗った2人きりのエレベーターの中で、
やっぱり本当の事を言わなくちゃっておもった。




だって


父親の形見だって




だったら



俺の持ってる片割れも返してあげた方が絶対良いに決まってる。