『どこまでなんて答えられないわ。聞かないで察してよ。

でも付き合う前に逃げられないよう出来るだけ控え目にしてたのよ。

女からって嫌がる人多いでしょ?

結城くん控えめなのがタイプっぽいのかなって思って。』



『やるわね〜。』






きゃっきゃっ言いながらまだまだ続く会話をもう聞く気には慣れずにそっと営業部から出た。





確かに、今どき学生じゃあるまいし、大の大人が手も触れずにいたっていうのはおかしいのかもしれない。



一緒にいるだけで落ち着けてたからってちょっと加藤さんの行為に甘えすぎてたのかも。




控え目にしてたって。
俺と接してた加藤さんは本当の姿だせずにいたってことだよな。



そんなんで俺といて、楽しかったのかな。



好きって気持ちがあるから我慢できるって事?





どっちにしろお互い何もさらけ出せずにいたって事だ。





人との付き合いってそんなものなのか。