『嘘ついてどうするのよ。』



そう答えた声は加藤さんの声。





なんだ給湯室で休憩中か。



コーヒーの香りがしてるのに気づき、俺も飲もうかな、なんて思い給湯室へと近付いた。





『どうやって結城さん落としたのよ!彼、誰の誘いも乗らないって言われてたのよ?』





給湯室近くで足がピタリと止まった。





………俺の話?





『まだ完全にそうなった訳じゃないの。でも付き合ってるようなものかしら?

休みには二人で会ったりもしたのよ。』





嬉しそうに弾む声で話す加藤さんに胸が苦しくなって、胃がキリキリと痛くなった。