映画に行った日以来、加藤さんは俺に一緒にいること以外は何も求めなくなった。





お試し中は手を出さない的な発言を俺がしたからだと思う。



お試しの後もこうして一緒にいれるって信じてる姿に胸が苦しくなる。







未練なんて残らない最低な男だって思ってもらうようにしよう。




そんな考えしか思い付かなくて、しかも思い付いたのも約束の1か月を迎える2日前。







そうするべきだと決心して、仕事をこなす。


営業先を回り終えた後、今日は職場へは戻らずに直帰と職場へは伝えてあった。



だけど戻らなくちゃ出来ない仕事が出来てしまって会社へと戻る。





営業部へ戻ると部内はガランとして誰もいなかった。



みんな出払ってる?




部内に一人は残らなきゃ電話来たとき対応できないのに。




ホワイトボードを見ると若い社員は外回りと書いてあり、部長や課長は会議と予定が書かれてた。





派遣の女の子たち…は加藤さんは、どこに行ったんだろう?





こういうとき部内にいてもらわなきゃ困るのに




そう思っていたとき、『嘘でしょう!?』と給湯室から驚きの声が聞こえてきた。