金曜日の溺愛にはかなわない(完)

「金曜日はいつも一緒にいただろ」



ちょっとよくわかんない。
ちょっとどころじゃなくて意味がわからない。



「いや、いましたけど?」



そんな習慣のように言われてもあたしは残業なんてしたくない。



「はじめてなんだよ」


「え?」



社長が座り込んでポツポツと言葉を漏らす。



「誰かとずっといたいって思ったの」


「はい?」



なんか付き合ってるみたいな言い方のような気がするのは気のせいだろうか。



「いままで誰といって1ヶ月、よくて二ヶ月」


「…はぁ」



一人で語り出す社長に何を言っても無駄だなと諦める。



「三ヶ月も1人の女といるなんて今までなかった」


「そりゃあ残業ですから…」



社長が何を言いたいのか全然わからない。



「次もまたその次も家に連れていきたいなんて思ったのは那月が初めてなんだよ」



横暴社長の初めて見る弱気な瞳になぜだかあたしの胸がとくんと高鳴る。