最後に本当に人を好きになったのはいつだろうか。

よく考える。前の彼女はわがままで、週末はデートに連れていかないとヒステリックになるような女だった。毎週遠出は当たり前で、僕の愛車のナビは彼女が勝手につけたであろう旗マークが所狭しと立っていた。消すのも手間だからそのままにしてあるが。
その前の彼女は世で言うメンヘラとか言う女だったし、その前もその前もろくな相手と交際をしたことがない。

別に僕は容姿がずば抜けていい訳では無い。
身長が高いわけでも有名大学を出ているわけでも。
だが交際相手は切れることなく居続けた。彼女達の目的は「金」でしかなかったのだ。
代表取締役、俗に言う社長である僕は金だけは持っている。この年で社長だとわかれば、年上だろうが年下だろうが女は群がってくる。
…人を見る目がない僕も悪いが。