ところが何と!

「今でも未練が残っているのに、何とも思っていないって? そーんなややこしい気持ちなんて、持てるワケないよねー?」とまあ、美月さんはクールな眼差しで私の目を見つめた。

「私がウソを言っていると思っているのッ!?」と声を荒げた私。

「え?」

 あ、やば!

 つい、カッとなっちゃった!

 私の態度に美月さんは驚くだろうと思ったけど、本人はいたって冷静である。

「心の奥では…森山拓也に対する思いが残っているんでしょう?」

 しかも、私の心の内を読んでいる?

「別に私は!」

 いきなり、美月さんは私の胸に手のひらを当てて来て私はビックリ!
 興奮する私を落ち着かせようと手を出したのだろうと思った。
 ふと胸元に見やると、手のひら辺りで金色の光が柔らかにきらめくのが目に止まった。

「誤魔化してもだーめ。私は人の心を読めるからねー」

「心が読める?」