「だから何ぃ!?」
「アナタのせいで、私と拓也様のせっかくの仲が台無しになったのですから! 人の恋仲を邪魔するトラブルメーカーって言うのは、アナタの事ですわねー!」
「言わせておけば!」

 カッとなった私は蒼の胸ぐらをつかもうとした。
 すると思わず、雅美が厳しい表情で私の腕をつかんだ。

「ハイ! もう終わりだよ!」
「雅美ぃ! 邪魔をしない…」と言い終わらないうちに雅美は強く言う。
「みかぁッ!」

 普段は穏やかな倉沢雅美が、今まで見せた事がない怖い顔して私は息を呑んだ。

 地面に落ちた自分のバックを拾った蒼が立ち去る間際にこう言ったセリフが耳に残る。

「カッコ付けてんじゃねーよバーカ!」

 静かになった公園内に、私と雅美だけが残った。

 拓也との付き合いは、これで終わりになったと言う辛い思いが込み上げて来る。

 明日からは、新たな出会いを見つけなければならない。