この時、蒼が吹き出し笑いをした。

「さーすが拓也様ぁー! 賢い選択ですわー!」

 此奴、明るい顔をしちゃって!

 でもねー

 次に拓也の口から出たセリフは意外である。

「蒼に対しても同じ。ごめんなさい…だからな」とまあ、クールな口調。
「ち、ちょっと! それって、どう言う事よ!?」と、蒼は大慌て!
「女同士が俺の取り合いで争っているのを見てイヤになったんだよ! お前ら、頭冷やせや!」

 拓也はこう吐き捨てるように言って立ち去って行った。

 又…


 しばしの沈黙の空気が流れる。

 呆然となる私と蒼。
 あまりの情けない結末に雅美は苦笑いした。

 蒼は怒りの眼差しを私に向けて来た。

「美香! 全て、アナタのせいですわ!」
「え?」
「みーんなアナタのせい!」
「何てーッ!?」
「聞こえないのかしらー!? みーんな、アナタのせいだって言っているの!』