「もーもーこ」

「みっちゃん…」

「もぉ、せっかくの入学式なのに、暗い顔して!」


みっちゃんが駆け寄って来るなり、私の肩を思いっきり叩いた。

「痛いよ…」


でもちょっと安心。

肩の力が抜ける。

別に緊張してたわけじゃないけど。

何となく気が重たかっただけ。



原因はおそらく2つ。


__1つ

華やいでいるこの雰囲気。

皆の眩しすぎる笑顔と、賑やかな笑い声。

いかにも入学式って感じ。

もちろん、誰も悪くなんかない。

私だって受験戦争を勝ち抜いてここにいるんだから。

嬉しいよ。

でも、地味な私に、この雰囲気に馴染めというのは酷な話だと思うの…。