チッと頭に焼けるような痛みが走った。

「いたっ…」

記憶の中の幼い男の子の顔が、さっきの綺麗な顔立ちの男子の顔に変わってく。

ずっとおぼろげでハッキリ思い出した事なんてなかったのに。

さっきから何度も感じてる違和感はまさか…


心臓の音、ドクドク。

呼吸がちょっと浅い。


『千歳くん』と呼ばれていた男子の方を見る。

女子に囲まれてよく見えない…けど…

~~!?

顔を上げた彼とバチッと目が合った!

や、ばい、目逸らさなきゃ…っ

でも私はまるでメデューサと目が合って石になってしまったみたいに固まっちゃって。


彼から目が離せない…

彼の口がゆっくり動く…


『ジ』
『メ』
『子』


やだやだやだ、やめて!

聞きたくない!