ここまで疲れたのっていつぶりだろう?
精神的に疲れても、体力的に限界だなって感じることは社会人になってからは初めてかもしれない。
でも、とても充実した疲れで、なんだか達成感も味わえた。

フラフラになりながら家に帰り、真っ暗な部屋に明かりをつける。
汗まみれの身体を洗い流したくて、浴室へ直行してシャワーを浴びた。

着ぐるみを着て仕事をする人って、いったいどれくらいの汗を毎日かいているのだろうか?
三日間着続けたトナカイの着ぐるみも私の汗が染み込んでいそうなので、明日出勤したら消臭スプレーを振りかけまくって、お店の屋上に天日干ししよう。


けだるい疲労感を全身に感じつつ綺麗さっぱりになって浴室を出ると、携帯に亘理さんからメッセージが届いていた。

『余り物のチキンを持って帰ります 間もなく帰宅します』

という簡潔な文を読んで、慌ててバスタオルで身体を拭いて服を身につけた。
危ない危ない、素っ裸で遭遇するところだった。


正直、疲れ果てていたので夕飯の支度は面倒だから、外食かコンビニで済ませたいと思っていたのでありがたい。
今年からボリュームも増して見た目にも美味しそうになったチキンを食べられるのは単純に嬉しい。

数時間前に炊きあがり、すでに保温になった炊飯器のご飯をヘラでかき混ぜていると、亘理さんが「ただいまです」と帰ってきた。