その時だった。



クラスの中でも1番ビビりな山本みくが叫んだのだ。


「いやっ、いやだ!!!みくは絶対にやらない!!!帰る!!!」

そしてドアに手をかけた。

その瞬間、健が口を開く。

「おーい、山本。今抜けたらどーなるのか分かって言ってんのかァ?明日どうなるか覚悟出来てんのか?!いじめられてぇのかよ、テメエはッ!あぁっ?!」

声のトーンがいきなり下がり、みくを簡単に脅す健。


これは強制参加なのか…。

わたしは明日香の手を今まで以上に強く握る。


それに気づいた明日香はわたしを見て、そして口パクで

『や・る・し・か・な・い・よ』

と言った。

そうだ。やるしかない。


私たちは頷いて覚悟を決めたのだった。


みくはポロポロ涙を流しながらも建の話を静かに聞いている。


しかし、これが悪夢の始まりだった。