家の門を出たところで、見覚えのあるヤツが近くにしゃがんでいた。


『VULGAR』の幹部だ。確か兵藤って名前だったような。


数ヶ月前に街で出くわして、俺がガン飛ばしてきたとか適当なイチャモンつけられて。

そん時一緒にいた、まーさんが急に殴られたのにムカついて、コイツを半殺しにしてやった。

今日は同じチームのヤツらなのか、2人も連れてきてやがる。

こんなイラついてる日に限って…。

血が滲む拳を、更に強く握る。

そいつらは俺の顔を見るなり、待ってましたと言わんばかりに勢いよく立ち上がった。


「やーっと出てきやがったよ」

「てめえ、良いとこの息子なんだなぁ?こんなにでけー家に住みやがって」

「お前ん家探すの、すげー苦労したんだけどぉ?」


1人の男が俺の肩に手をかける。


「汚ぇ手どけろよ」

「は!?てめぇ、ふざけんなよ!?中坊のくせにっ」


胸元を掴まれ、そいつの顔が間近に迫る。

男の顔のドアップとか、全然嬉しくねえ。