私たちは軽く自己紹介をして、隣町のファミレスまで歩くことになった。
「女子にチャリ貸して、俺らは走るか!」
光喜くんがそんな提案をしてくれたが、男子で賛成する人はいなさそう。
「うちら歩くの平気だよ?みんなで話しながら歩けば、きっとすぐ着くよっ」
私がそう言ったら「梨々花ちゃん優しい~」と光喜くんに大袈裟に褒められて恥ずかしくなった。
初めはちょっと警戒していたけど、みんな良い人そうで、同い年のせいかすごく話しやすい。
私たちはすぐに打ち解けた。
深夜の国道は車の往来が少なく、私たちの声が道路に響く。
昔から知っている町なのに、暗いせいか知らない場所に来ているみたい。
こんな時間に遊ぶなんて、なんだか不思議な感じだな。



