「あのあと聞いたんだけど……あの子南高受けるそうね、あんなのと一緒にいたらますます悪い方向に行くわよ。莉々花、やっぱり南高受けるのやめなさい。今からでも遅くないし。ほら、東高なら頑張れば行けるって先生も言ってたじゃない!これから塾の夏期講習に通って…」
「絶対いや!」
「莉々花っ!」
このひとは何もわかってない…。
どうしていつも上から目線で物を言うの!?
どうして頭ごなしに決めつけたりするの!?
「お母さんが何て言おうと、私は南高に行く。許してくれないなら、この家出て行くから」
「……」
「あと友達の事悪く言ったり、傷つけるのはたとえお母さんでも許さないから!」
「もう……勝手にしなさい!」
お母さんの怒鳴り声が廊下に響き渡る。
ムカつく……怒りたいのは私の方だよ!
私の人生は自分で決める!
お母さんが荒々しく階段を下りていく音がした。



