「あそこのご両親、ヤクザと関わりあるって噂があるのよ。だから泉ちゃんもあんな風に育って…」


なに…お母さん、泉のことそんな風に見てたの…?

いつも泉と会うとにこやかに笑って話してたのに、頭の中では泉を軽蔑してたんだ…。

続けてお母さんが新くんの方を見て言う。


「中学生なのに…なにこの髪の色?莉々花がこんな子達と遊んでるだなんて。知り合いの人に見られたら恥よ。どうしてあなたはいつも…!お姉ちゃんを見習いなさいっ」

バシッ!

私はカッとなって、お母さんの手を跳ね除けた。

「最低だよお母さん!新くんの前でそんなこと!泉の事もなんにもわかんないくせに悪く言わないで!」

「莉々花!」

泉はずっと私の側にいてくれた友達。

何かあった時はいつも相談に乗ってくれたし、励ましてくれた。

新くんだってそう。

何も悪いことしてない…。

私の家族のことを良い家族だって…羨ましいって言ってくれたのに!

恥なのはこっちだ。

お母さんは何もわかってない。