「お母さん!?」


後ろに立っていたのはお母さんだった。

眉間にシワを寄せ、私と新くんのことを見つめている。

「何してるの!?あなたまた夜にっ……」

お母さんが血相を変えて私に詰め寄る。

そして隣にいた新くんの方をじろりと睨んだ。

「あなたが梨々花を誘ったの!?この前の夜もっ」

「違うから!新くんは関係ないっ」


新くんが自転車から降りて私の前に立つ。

「こんな時間に連れ出してすみませんでした」

そう言って頭を下げた。

「新くんっ!」

新くんのせいじゃないのにっ……

「もう莉々花に関わらないで」

お母さんは冷たく言い放つと、私を引っ張って無理やり自転車から降ろした。

「お母さんっ聞いて!」

「早く帰るわよっ」

「お母さん!」

「だから泉ちゃんたちと仲良くさせたくなかったのよ」

「え?」