一瞬私と目が合った気がしたけど、気のせいだよね……。
新くんの走ってる姿がかっこよくて、目に焼き付けておきたくなった。
ユッキーさんが車内に体をひっこめると、泉が身を乗り出し「新くん、すごいですねー!初めてとは思えないっ」と興奮気味に言っていた。
「うん、あいつはタダ者じゃねーよ、中防には見えねぇよなぁ」
「でもちょっと怖いですよね、事故ったらって思うと……」
「まぁな、でも俺らはそんなこと気にしねーかな。いつも死と隣合わせだけど、それもスリルがあってたまんねー」
「…」
泉が黙るのも無理ない。
考えてなかったけど、ゆっきーさんがさっき言ってた言葉が引っかかった。いつも死と隣り合わせって…
そうだよね、普通に考えたらすごく危ないことだもん。
新くんはどう思ってるんだろう…。
「新さー、特攻まかせられっかもしんねーなぁ」
ユッキーさんがボソッと呟いたのに対して、私が「特攻って?」と聞き返した。



