白い特攻服の人たちを乗せたバイクが、すごい勢いで横を通りすぎて行く。
この中で新くんを見つけることができるのかな。
「おっ、前の方にいんじゃん!さすが新、遠慮のカケラもねぇなー」
ユッキーさんが笑いながら窓から体を出す。
「えっ、あ、危ないっ……」
「あはは、大丈夫だって!」
余裕の表情で窓の縁に座っていた。
ハラハラしてしまい、呼吸が乱れる。
だってこの車も結構スピード出してるし、落ちたら死んじゃう……。
「新すぐそこだよー、見える?」
指さした先を見ると、確かに新くんが近くを走っていた。
その後ろ座席には、この前会ったまーさんが乗っている。
「おい新!てめー新入りのくせに前走んなや!」
ユッキーさんがそう叫ぶと、新くんはこっちを見て笑っていた。
声は聞こえないけど、すごく楽しそうなのは伝わってくる。
すごいなー、同い年でこんなにバイクを乗りこなせちゃうなんて。



