私たちはユッキーさんの先輩が運転する車に乗せてもらうことになった。


「遠くから観るのもいいけど、一緒に走るとまた違う面白さがある」ってユッキーさんが言っていた。


黒いセダンに、女子3人が乗りこみ、助手席にユッキーさんが乗る。


車内に入ると香水のキツイ香りが漂って来て少し気持ち悪くなった。


後ろから爆音で音楽が聞こえてくるが、ものすごい震動だ。


「すごいねっ、わくわくするー!」


隣に乗っていた泉が、私の腕に自分の腕を絡ませてくる。


窓の外には数えきれないくらいのバイクが集まっていた。


私の心臓はバクバクしていて、手に汗がにじむ。


広い直線道路に出ると、一斉にバイクが列を作り飛ばしていく。


「俺らもついていくから。新どのへんにいるか見たいっしょ?」


助手席のユッキーさんが私たちにそう言ってくれた。