いつも側で君を感じるから。


看護師さんも呆気にとられていたが、新くんのお父さんの迫力に「はい」と返事せざるを得ない様子で、再び治療室の中に入った。

「ちょっと待てよ」

八雲さんの声に、帰ろうとしていた新くんのお父さんの足が止まった。

チラッとこちらを見る目がとても冷酷で。

まるで汚いものを見るような目つき。こんな人が新くんのお父さんだなんて信じられなかった。

「なんだ?」

「息子が死ぬか生きるかってときに仕事だ?ふざけんじゃねーよ」

「君は?名乗りもせずに失礼なやつだな。新の友達がしらんがやっぱりろくなヤツと知り合ってないんだな」

「うるせぇな、てめぇなんかに名乗る筋合いもねーよ」

八雲さん…気持ちはわかるけど落ち着いてっ。

泉たちもハラハラした様子で見ている。

「新はてめぇのせいでずっと苦しんでたんだよ、わかってんのか?てめぇと同じ空間で生きてるのがどんだけ地獄だったか」

八雲さんも、新くんの内情知ってたんだ…。