「俺らの頭が新のこと気に入ってさ、うちは中防は入れない決まりなんだけど、新は喧嘩つえーしライディングテクもあるしで、特別枠で入れることになったわけ」
「そうなんだ……すごい」
尊敬の眼差しで新くんの方を見ると「別にすごくねーよ、頭に借りがあるから短期で入るだけだし」と笑った。
「いや……ムカつくけど、前に新が『VULGAR』の奴とステゴロのタイマン張ったときなんかすごかったよな」
「そうそう、俺らの出番なかったし。新みたいな人材を期間限定とか…頭は絶対ゆるさねーだろ」
2人がゲラゲラ笑っている。
「ステゴロって……?」
「あー、素手で喧嘩すんだよ、新めっちゃつえーの!」
「へぇ……」
この可愛い顔して穏やかに笑う新くんが?
なんだか想像がつかないけど、この2人が言うんだからきっとすごいんだろう。
「ハイハイ、もうその話はいーっしょ。中に陽太とかいるけど会ってったら?」
新くんが二人の背後に回り、肩を押して歩かせた。



