「落ち着いて聞いてね!?新、陽太をかばって落ちたらしいのよ、どういう状況かは聞けなかったけど市立病院に運ばれたんだって!私達が入れるように病院側には伝えてくれてるみたいだから今から行こう!」


2人がいてくれてよかった。私1人だったら現実を受け入れられなくて、動けなかったかもしれない。



病院に着いたときはもう朝方になっていて、私たちは夜間受付から入った。

静まりかえった病院内は薬品の匂いがする。

ここに新くんが運ばれたなんて信じられない。


看護師さんに聞くところによると、新くんはHCUという高度治療室と呼ばれる部屋にいて、私たちは入ることができないらしい。

せめて遠くから顔見たかったのに…。

モヤモヤした気持ちのまま、近くの待合室に行くと八雲さんが座っていた。


「八雲さん!」と泉が呼ぶと顔をこちらに向けた。

その表情は見たことないくらい真剣で。