『りーちゃん、落ち着いて聞けよ?新が階段から落ちて意識がねぇんだ』
携帯が手からスルリと滑り抜け、床にガコンと落ちた。
泉がすぐに拾ってくれたけど、私はその携帯を受け取ることもできなくて。
八雲さんの言葉が脳内に何度もリプレイされる。
〝意識がない〟
って…?
「りりどうしたの!?八雲さんなんて!?」
返事ができないでいる私を見て、電話を代わってくれた。
「八雲さん!?私、泉です!りりがショック受けてるみたいなんですけど!何かあったんですか!?」
自分の体じゃないみたいに体がガタガタ震え出して、止まらない。
萌乃がそんな私の手を握り「どうしたの!?」と私の顔をのぞき込む。
「新くんが…意識ないって…」
「え!?」
「階段から落ちたって…」
階段って、どういうことなんだろう。
喧嘩のせいじゃなくて!?
泉が八雲さんとの電話を終えて私たちの方を見た。
「りり大丈夫!?」
「う、うん、ごめん…」



