電話を切った泉が眉間に皺を寄せて私を見る。

「あいつら…KINGって奴らサイテーだよ!」

「な、なに!?どうしたの!?」

「最初っから2:2で戦う気なんてなかったんだ…八雲さんと新を自分たちのアジトまで連れて行く計画だったみたいだよ!」

「えっ…どういうこと!?」


「陽太がKINGの1番下っ端連中とさっき出くわしたらしくてさ、様子が変だったから色々聞き出したんだって!そしたらアジトのとこまで自分達を追わせて、大人数でヤル作戦らしくて……」


一気に背筋が凍った。

「そんな!大人数でなんて卑怯じゃん!」


「陽太が今向かってるらしくてさ、助っ人に行ける人探してるらしいんだけど、急だから集まるかどうか…とりあえず光喜たちも向かうって!」

手が震える。

いくら2人が強いからって…大人数でなんか絶対無理。

しかもKINGってただでさえ喧嘩が強いって有名なチームなのに……!

「りり!大丈夫、大丈夫だから!」

青ざめていたのかもしれない。

泉が私のことを抱きしめてくれた。